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吉野妙 / 株)ディーワークス代表取締役社長 - withコロナ。これからの働き方を探る Vol.2  

コロナ(COVID-19)が世界的に猛威をふるい、わたしたちの働き方、生活も変化を余儀なくされました。オフィスには出社できず、多くの会社がテレワークにシフト。

急激な変化に対応するなかで、「働く人を応援し、幸せになる」をミッションに掲げる丹青ヒューマネットは、改めて働くことについて考えてみたく、建築・デザイン業界に従事されている方々にお話しを伺っていきます。

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 集合写真(中央:吉野妙) 
  
文:吉岡奈穂 取材・編集:石畑和恵(丹青ヒューマネット)

公開日:2020/07/13

 withコロナ。これからの働き方を探る 

吉野妙 /株)ディーワークス代表取締役社長
 

--PROFILE

1976年山口生まれ。大阪でインテリアを学んだのち、京都の(株)ヤマトマネキンに就職。日本を代表する遊園地やテーマパーク施設でFRP設計を担当する。

2011年(株)ディーワークスを設立。レジャー/アミューズメント施設や特殊造形物の設計・製作・施工から、飲食/物販など商業施設の企画・設計・施工、サインやディスプレイ工事まで多数のプロジェクトを手掛ける。

2014年より代表取締役社長に就任。

 



 

1.最近はどのようなお仕事をされていますか?

ーーテーマパークの造形物を設計、製作、施工まで

FRP、モルタル造型、フィギュア、擬岩、擬木、モニュメントなど、特殊造形物の設計から製作・施工までをしています。エクステリア、インテリアの特殊装飾工事や特殊塗装工事も行います。主な納入先はテーマパークやホテルなどです。

新しいものだけではなく、既にあるものの仕様を変更したり、店舗の全面改装をしたり、イースターやハロウィン、クリスマスなど季節のイベントに合わせた装飾物を作ったりしています。

ちなみにFRPとは繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)のことで不飽和ポリエステル樹脂に、ガラス繊維を複合して強度を向上させた強化プラスチックのこと。いろんな形、テクスチャーのものを作ることができるのが特徴です。

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2.なぜこの仕事を選んだのでしょうか?

 

——人を感動させる空間づくりに携わりたい

子どもの頃から遊園地やテーマパークが大好きでした。山口の出身なのですが、高校生の頃、初めてディズニーランドに行ったときにその空間の素晴らしさに圧倒され、「自分もこんな空間を作れるようになりたい」と思ったことがきっかけです。

高校を卒業したあとは、大阪の専門学校でインテリアを学びましたが、いざ就職のタイミングで、やはり遊園地やテーマパークを作る仕事に就きたいと考えました。

ちょうどその頃、京都にあるヤマトマネキンの方が学校に講義をしにきてくれたことから、ぜひヤマトマネキンに就職したいと思い、就職試験を受けました。

当時は現場には女性が働く環境も整っておらず不採用になったのですが、どうしても働きたかったためアルバイトをさせてもらい、1年後に正社員になったという経緯があります。

その期間にテーマパークのFRP設計を担当し、2011年にディーワークスを設立。現在もテーマパークの仕事に携わっています。

 

——かたちになって行くのは、何度経験しても面白い

もともとものづくりが好きなので、実際にかたちができたときが一番嬉しいです。

FRP設計をしていたので、仕上がりを想像しながら図面を書いてはいるものの、かたちになって、色がついていくのは何度経験しても面白いですね。

さらに作ったものが現場に設置されて、その空間の一部になっていくのはワクワクします。

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3.仕事で大事にしていることは何ですか?


——
公私のどちらも大切にし、楽しむこと

楽しんで仕事をすることです。社員も職人もみんながそうであってほしい。

そのためにもやるときはやる、休むときは休むという姿勢を大切にしています。毎日8時出社、17時退社が定着しており、同業の方に驚かれるほどです。

そもそも仕事が冴えないとプライベートも冴えないし、逆も然り。どちらも充実することが必要だと思っています。

わたし自身はゆっくり考えたいものは家に持ち帰ることもありますが、基本的に休日は大好きな映画鑑賞に時間を使っていますね。

そしてもうひとつは、クオリティをキープすること。そのためにもなるべくメンバーを固定して迷いを払拭し目指すものを共有すること、信頼関係を築くことを心がけています。

 

  

4.コロナ流行を経て、現在はどんな状況ですか?

 

——いまは、変化のための準備期間

遊園地やテーマパークは休業しているので、辛抱の時期ですね。あとは変化をするための準備期間だと捉え、フル稼働しているときには手がつけられなかったことを進めています。

例えば5月は、みんなで相談しながら工場の2階に気持ちのよい個室を作りました。お茶を飲みながら、8人くらいで打ち合わせをしたり、オンライン会議をしたりできるスペースです。そのほかにもサイトリニューアル進めたり、社内勉強会を開催したりしています。

 

 

5.どんな人と働きたいですか?

——自分で考えられる人、動ける人

前向きで、意欲的で、自分で考えられる人です。

コロナ流行という難局でも、途方に暮れて立ち止まっているだけではなく、「あれができるのでは?これをやってみてもいいですか?」と次の一手を提案できる人です。

指示を待っているだけでは、もう立ち行かない時代だと思う。自ら動き、挑戦できる人がより求められていくと思います。

大変な状況にあるほど、周りの人とのつながりの大切さに気づかされます。自分だけ良ければ良いという思考ではなく、支え合ったり、助け合ったり、柔軟に関わり合える人のありがたみを感じます。

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6.人との関係で大事にしていることは何ですか?

——表面的に接しないこと、モチベーションをケアすること

失敗したときに頭ごなしに怒らないことです。何が原因だったのか、同じことが起きないようにすればどうしたらいいかをそれぞれが認識し、理解することが大切だと思っています。

些細なことですが、Aのビスを買って来るように頼まれたのにBのビスを買ってきたとしたら、(間違えた理由は何?話をきちんと聞いていなかった?次はどうしたらいい?現物を持って行く?)など、考えることが大事だと思います。

表面だけで物事を終わらせないこと、固定観念で判断しないことも気を配っています。

それから職人のみなさんは木工、金物、彫刻など得意分野は異なるのですが、モチベーションを保つサポートができたらと思っています。 製作中に迷っているようであれば積極的に声をかけて、指標を示して、すっきりした気持ちで進めてもらうことを意識しています。

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7.今後やっていきたいことはありますか?

——オンラインと手作業の共存を

急速にデジタル化が進んでいるので、その波にはしっかり乗っていきたいです。オンラインで可能なことはどんどん切り替えていこうと考えています。

例えば北は青森、南は大分まで全国各地に協力工場があり、いままでは現地に出向いて生産管理やクオリティ管理をしていたのですが、コミュニケーションをきちんと取れば、オンラインでもできるはず。感染対策の面からも移動を減らして、スケジュールに余裕を持ち、本質を追求したいです。

一方ですべてをオンラインに頼ることはしたくないですね。3Dプリンターで出力すれば造形物もできますが、それだけではやっぱり味気ない。最終的な仕上げをひと手間加えただけでイキイキとしたものが生まれるので、オンラインによる効率化と人の手作業でしか表現できない部分を、よりうまく共存させて行くことが必要だと思います。

また、遊園地やテーマパークの在り方も変わると思うので、新しいフィールドにも意欲をもって挑戦していきたいです。

 

 

 


 

——取材を終えて 
  
                         

ディーワクスさんの工場では、みなさんで作ったというリモート会議用の部屋でインタビューを実施しました。

辛抱の時期こそ、新たなことができるという社長の意欲とスタッフのみなさんの前向きな姿に感銘を受けました。モノづくりには、工場や工場で働く方の支えがあってこそ。

エンドユーザーに楽しんでもらうことが喜びであり、そのためのクリエイティブを発揮するために育成も怠らない吉野社長の爽やかな笑顔が印象的でした。

株式会社丹青ヒューマネット 

石畑 和恵

 

 

株式会社丹青ヒューマネットは、「働く人を応援し、幸せになる」をミッションとし、建築・インテイリア業界へ人材を輩出しています。人材のことで課題をお持ちの企業様、新しい働き方をお探しの方はこちらへご連絡ください

 

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