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プロフェッショナルとの対話で伝える、ディスプレイ業界のやりがいと醍醐味 インターンシップイベントレポート/10代のみんなへ伝えたい、空間づくりの仕事 Vol.14

インターンシップの様子

取材・文:堀合俊博 写真:寺島由里佳 編集:丹青ヒューマネット
公開日:2023/9/28

空間デザイン・ディスプレイ業界に関心のある学生を対象に、丹青ヒューマネットの仕事について紹介するインターンシップイベントを8月に開催しました。空間づくりとはどのような仕事なのか、そのイントロダクションとなるお話をはじめ、丹青社グループでは「制作職」と呼ばれる施工管理者との対話を通して、施工管理の仕事に携わる方の姿を身近に感じてもらうと同時に、この仕事の魅力を知ってもらう時間にできたのではないかと感じています。

丹青ヒューマネットが主催する学生向けインターンシップイベントは、昨年12月より実施をスタートし、今回で3回目の開催となります。丹青ヒューマネットの主な派遣先である丹青社の本社オフィス内のレセプションエリア「クリエイティブミーツ」を会場に、17名の学生たちと直接お話する機会を設けることができました。

本記事では、当日の様子をお伝えすることはもちろん、イベントの中で紹介したディスプレイ業界での働き方や仕事の醍醐味について、登壇者たちが語った内容の一部をご紹介していきます。

ディスプレイ業界のミッションは、生活を快適で豊かなものにすること

丹青ヒューマネット代表取締役社長・石畑和恵による、ディスプレイ業界の概要についての解説からイベントはスタートしました。ゼネコンや工務店といった建築業界や、住宅を手がけるハウスメーカーとの違いをはじめ、ディスプレイ業界が手がけるさまざまな空間の解説を通して、ディスプレイデザインが目指すものについて紹介しました。

「ディスプレイ業界は、みなさんの目に触れる機会の多い建築業界と比べると、なかなかニッチな領域だと思います。丹青社グループの仕事は、建物の内装仕上げやディスプレイを、企画から設計、施工、運営まで手がけること。空間づくりを通して、事業主様の販売促進や教育・啓蒙、情報伝達といった目的を達成することはもちろん、デザインを通して、エンドユーザーである私たちの生活を快適で豊かなものにすることがミッションだと考えています」

丹青ヒューマネット 代表取締役社長 石畑和恵

丹青ヒューマネット 代表取締役社長 石畑和恵

その後、丹青ヒューマネットの主な派遣先であり、今回のイベント会場である丹青社の事業紹介が続きます。「こころを動かす空間をつくりあげるために。」をコーポレートステートメントに掲げる丹青社は、商業空間をはじめ、パブリック空間・ホスピタリティ空間・文化空間・ビジネス空間・イベント空間の創造に取り組んでいます。

続いて丹青社のグループ会社として人材派遣事業を展開する、丹青ヒューマネットの活動を紹介。丹青ヒューマネットはこれまでに、丹青社をはじめとするディスプレイ業界のさまざまな企業で活躍する、数多くのプロフェッショナル人材を輩出してきました。

「丹青ヒューマネットは人材派遣業のため、丹青ヒューマネットと派遣先の企業、そして働いていただくスタッフの方々と三者間での契約を結んでいます。新卒採用では、丹青ヒューマネットの正社員として入社いただき、派遣先企業にて定年までお仕事をしていただくことを想定しています。丹青ヒューマネットで働く魅力は、多様な空間づくりの仕事に携わることでスキルを培い、キャリアを積めることだと思います」

 

施工管理者としての歩みを身近な距離で伝える「制作職ひとライブラリ」

事業紹介に続いて実施したのは、丹青社にて「制作職」=施工管理のキャリアを積んできた方にお話をうかがう「制作職ひとライブラリ」です。その名の通り、制作職に就く「ひと」にフォーカスし、それぞれのキャリアを振り返りながら、働く上での姿勢について語っていただきました。当日ゲストに迎えたのは、丹青社コミュニケーションスペース事業部の今井敏二さんと五ノ井菜摘さん、そして丹青社で施工管理の経験を積んだのちに、現在は丹青ヒューマネットにて営業部長を務める児玉芳久の3名です。

「制作職ひとライブラリ」では、冒頭のイントロダクションとは趣向を変え、学生たちには3つのグループに分かれてもらい、3名の登壇者のお話を順番に聞く時間を設けました。近い距離で実施することで登壇者との会話が生まれ、少しずつ学生の方々の緊張も解れていったように感じます。

 


さまざまなタイプな空間づくりに携わることができる、夢のある仕事だと思います(丹青社 五ノ井菜摘さん)

丹青社 コミュニケーションスペース事業部 五ノ井菜摘

丹青社 コミュニケーションスペース事業部 五ノ井菜摘

「今日登壇している3人の中では、いちばんみなさんと年齢が近いと思うので、私が実際に就職活動の時に感じていたことを共有できたらと思っています」と話す五ノ井さんは、2018年に丹青社へと入社し、現在はイベント空間やショールーム、オフィスなどのビジネス空間づくりを手がけるコミュニケーションスペース事業部に所属しています。入社1年目から福岡の九州支店に所属し、5年間の経験を積んだのちに、2023年の2月からは東京本社に異動となりました。

人間環境科学科で学んでいた大学3年生の頃に建築の勉強をスタートしたという五ノ井さんは、大きな建物ではなく、より人間にとって身近なスケールの空間づくりに興味があったそうです。ご自身の経歴を振り返りながら、あらためてディスプレイ業界の魅力について語ります。

「学生時代、住宅やオフィスの実施設計を学ぶ機会があり、大枠の設計よりもディテールへのこだわりに興味が湧く自分に気がつき、デザイナーではなくて制作職の方が向いているんじゃないかなと思うようになりました。就職活動ではゼネコンも検討していたのですが、大きな建物のプロジェクトだと2、3年かかるものや、長いと10年間同じ仕事に関わることを知り、ゼネコンに比べて、短期間で完成するプロジェクトが中心のディスプレイ業界の仕事の多様さに魅力に感じるようになったんです。さまざまなタイプの空間づくりを経験してみたい方や、話題の施設づくりに携わってみたい方にとっては夢のある業界だと思います」

2年目から5年目までの期間は、徐々に主担当者となるプロジェクト数が増え、デザイナーとは異なる制作職の醍醐味をさらに感じるようになったそうです。中でも、「どんなものをつくるのか」を考えるデザイナーに対して、「どうやってつくるか」に取り組んでいく制作職ならではのやりがいについて五ノ井さんは説明します。

「ディスプレイ業界の制作職の役割は、設計者であるデザイナーが描いた図面に対して、施工管理の視点から意見を伝えていくことだと思います。『使い手にとって本当にいいデザインなのか』『どうすればもっと美しい仕上がりにできるのか』など、自分の考えを設計者に伝え、時にクライアントに提案することもできるので、自分の意見が採用されるやりがいがあります。具体的なつくり方や細かな部分について考えていくことこそ、制作職のおもしろさだと感じています」

 


図面をたくさん描いた経験は、私の仕事の基礎になっています(丹青ヒューマネット 児玉芳久)

丹青ヒューマネット 営業部 児玉芳久

丹青ヒューマネット 営業部 児玉芳久

1990年に空間デザインを手がける企業に新卒入社した児玉は、当初は施工管理ではなく、デザイナーを志望していたと語ります。「ライフ」と「ワーク」の変遷を表現した「人生曲線」のスライドを映しながら、大きくワークの曲線が下降していた新人時代のことを振り返りました。

「入社後に突然施工管理をすることになり、当時は何度も辞めようと思っていました。とはいえ、歳の近い先輩に恵まれたこともあって、楽しみながら仕事を覚えることができ、早い段階から大きな規模の現場管理を任せてもらうようになりました。いまでは続けて本当によかったと思いますし、あの頃にできた経験は貴重だなと感じます」

当初は不本意なキャリアのスタートだった児玉ですが、忙しい日々の中で現場経験を重ね、徐々に施工管理にのめり込むようになったといいます。20代の日々を振り返りながら、現在の仕事に活きている当時の経験について話しました。

「新人の頃は、とにかく図面を描きましたね。会社の机が平行定規になっていたので、いつでも図面が描ける環境が整っていましたから。1年目からとにかく図面を描いていたことが私の仕事の基礎にあると思いますし、後々の実力アップへの近道になる重要なポイントだったと思います」

その後、現在も人気の施設内の空間づくりを担当し、施工管理者としての自信をつけた児玉は、順調にキャリアを重ねていったそうです。自身が手がけたプロジェクトの紹介に続き、施工管理の仕事を大きく二つに分類しながら解説しました。

「施工管理の仕事のカテゴリーは、おもに『企画プロフェッショナル』と『施工プロフェッショナル』に分けられます。丹青ヒューマネットのスタッフは、派遣先で『企画プロフェッショナル』の仕事を担当することが多いですね。プロジェクトにおける川上業務である準備段階から、設計・施工までのプロセスに関わり、クライアントとの打ち合わせといった交渉事を担います。一方『施工プロフェッショナル』の仕事では、製図や見積もりの作成をはじめ、現場の管理者として協力会社の方々に直接指示を出す役割を担うため、専門的な知識が必要とされます」

 


仕事の達成感は人生を輝かせてくれるはず(丹青社 今井敏二さん)

丹青社 コミュニケーションスペース事業部 今井敏二

丹青社 コミュニケーションスペース事業部 今井敏二

丹青社で33年のキャリアを積み、現在はコミュニケーションスペース事業部制作統括部の副統括部長を務める今井さんは、建築の世界を目指すきっかけとなったエピソードについて話しました。

「中学生の頃に新築で家を建てることになり、設計士さんと両親が家で打ち合わせをしていたんです。その時、図面を見ながら話している横から『こうした方がいいんじゃないの?』とちょっかいを出したら、設計士の方に『お兄ちゃん、建築士になったら?』と言われて。その一言で人生が決まってしまったんですよ」

「運と縁とタイミング」をキーワードにキャリアを振り返る今井さんは、これまでに担当した数々の海外プロジェクトについて紹介します。あるプロジェクトの成功が別の仕事へとつながり、これまでに30カ国での仕事を経験したそうです。

「大規模な博覧会を担当した際に、海外の方々と楽しく仕事をさせていただき、その経験をきっかけに数多くの海外プロジェクトを担当することができました。ジャカルタで開催されたモーターショーや、スイスで行われている世界最大規模の宝飾・時計の展示会など、海外の方とコミュニケーションを取りながら進めていく現場にはやりがいがありましたし、完成した時に感動する場面が多々ありました」

入社6年目で取得した一級建築士の資格をはじめ、今井さんはこれまでのキャリアを通して、常に勉強を続けていたといいます。時代とともに変化するトレンドやテクノロジーを取り入れた空間づくりに必要なのは、「一生勉強」だと今井さんは語ります。

「近年はデジタル技術がどんどん進化していて、2、3年前のことですら、すでに古くなってしまいます。新しい技術は学んでいかないと追いつけなくなってしまうので、日々の勉強が重要。その意味でも、ディスプレイ業界は難易度の高い仕事ではあるのですが、空間が完成した時の達成感はみなさんの人生を輝かせてくれるはずです。ぜひチャレンジしてもらえればと思います」

 

幸せな働き方の実現のために

学生の様子

3人の登壇者の話を聞き終えた学生たちからは、さまざまな質問が投げかけられました。丹青ヒューマネットの事業についての質問をはじめ、「好きなことは仕事につなげられる」と語った五ノ井さんに対して、具体的なエピソードを尋ねる場面もありました。

「好きなことがあれば、なにより仕事の楽しさに直結します。好きなことや興味のある分野であれば仕事の理解が早くなりますし、みんなが気づかないことに気を配ることができるようになると思います」

「一緒に仕事をしたい人はどんな人ですか?」という学生からの質問に対して、今井さんはずばり「やる気とガッツのある方」と回答。続いて児玉は、五ノ井さんと同様「好きであること」の大切さについて語りました。

「好きであることはとても大事で、この仕事が好きなら、見積もりや図面を描く時間もあっという間に経つんですよ。これからの就職活動を通して、自分が本当に好きなこと、興味を持てることは何なのか、よく考えてみたらいいのかなと思います。僕らもこの仕事が本当に好きだと思える人と、これからも一緒に仕事をしていきたいと思っています」

イベントの最後に実施したのは、96のキーワードの中から、自分にとって大切な言葉を5つ選ぶ「価値観シート」ワークショップです。創造、ひらめき、決断力、勇気など、さまざまな言葉の中からピンとくるものを選んだ理由を、参加者同士が語り合う時間が設けられました。終了後、石畑は自分の価値観を持つことの重要性について語ります。

丹青ヒューマネット 代表取締役社長 石畑和恵

「選んだ価値観について他者に話してみると、自分自身が大事にしていることが何なのか、あらためて気づくことも多いと思います。ディスプレイ業界の仕事は、うまくいかないことも多々起こります。そんな時に、仕事に臨む上での自分自身の価値観を持つことは、解決の糸口を発見するきっかけになります。これから就職活動を通して、自分の内面と向き合う時間が増えていくと思いますが、ご自身の価値観に合う仕事と巡り合うことができれば、幸せな働き方が実現できるんじゃないかなと思います。今日のこのワークショップをきっかけに、ぜひ自分自身を見つめ直す時間をつくってみてください」

17名の学生を対象に開催した今回のインターンシップイベント。制作職として働くプロフェッショナルの方々との対話を通して、ウェブサイトや求人情報だけでは伝えきれない、空間づくりのおもしろさを感じていただけたのではないかと思います。イベント終了後の会場では、個別に登壇者へと質問を投げかける学生たちの姿が数多く見られました。

今後も丹青ヒューマネットでは、ディスプレイ業界の仕事の魅力や醍醐味を伝えていくことで、空間づくりに関わる仲間を増やし、幸せな働き方の実現をサポートする活動を続けていきます。

インターンシップの様子

 

インターンシップを終えて

丹青ヒューマネットが主催するインターンシップイベントは、業界研究や企業研究をしている学生さんに向けて、まずはディスプレイ業界のこと、そして丹青社グループや制作職のことをもっと知って欲しいと思い実施しています。

当日は業界や丹青社グループのことをもっと知りたいという学生が、福岡や関西といった遠方からも参加されており、質問も活発にいただきました。

既に学生たちは2025年の入社に向けて動いています。
私たちはこれからも、この業界で働きたいと思っている人材に向けて、ディスプレイ業界と制作職の魅力について発信していきます。


株式会社丹青ヒューマネット

石畑 和恵

 

株式会社丹青ヒューマネットは、「働く人を応援し、幸せになる」をミッションとし、建築・インテイリア業界へ人材を輩出しています。人材のことで課題をお持ちの企業様、新しい働き方をお探しの方はこちらへご連絡ください。


 

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