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DX推進を先導する人材の育成プログラムとは /丹青ヒューマネット

DX推進を先導する人材を育成-DX人材育成プログラム3つのポイント

文:吉岡奈穂 取材・編集:丹青ヒューマネット
公開日:2021/8/27

 DX推進を先導する人材の育成プログラム 

マインドを変え、自社を知り、経営課題に沿ったDXを推進。
丹青ヒューマネットが、各企業の実務に即したDX人材の育成プログラムを提供スタート。

IT社会の実現に向けた施策を担う情報処理推進機構(IPA)では、DX(デジタルトランスフォーメーション)を「デジタル技術を活用することで、デジタル化が進む市場においても付加価値を生み出せるように、従来のビジネスや組織を変革すること」と定義しています。

また2018年に経済産業省が発表したDX推進ガイドラインには、「企業が激しい環境の変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革すること。さらには業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革すること」と言った内容が書かれています。

とはいえいまDXが必要なことは感じてはいても、自社の場合にどこから何をどう始めたらいいのかは中々わからないもの。

そんな背景を踏まえ、さまざまな企業と接点を持つ人材派遣会社の丹青ヒューマネットが、多数の企業で実務に即したDXを推進してきた株式会社Nシステムの代表取締役社長 中野潔さんとともに「DX人材の育成プログラム(全6回)」をリリースしました。

本コラムではプログラムの概要や特徴を中野さんにお伺いご紹介します。



株式会社Nsystem 代表取締役社長 中野 潔

--PROFILE


企業Accelerator。

世界初の画像合成装置の日本での最初のオペレーター経験から大手通販会社のフルデジタル化を成功させたDTPの草分け的な存在。その後、デジタルサイネージにおいて、ホームメーカー、自動車メーカー、ゲームメーカー、施設など、いずれも数百台規模の設計導入実績がある。 2010年デジタルサイネージでは、電通やGEのほか、コンサルタントとしても活動。

高解像度表示システム(カナダ)、PDFソリューションサービス(韓国)、UI開発(ベトナム)の海外コアテクノロジーの日本支社提携を結ぶ等のデジタル化に精通した経験を活かしDX化のコンサルから企業アクセラレータとしてより実践的なアドバイザーとして活動。

 

1.なぜDXが必要なのか。そもそもDXとは何なのか?

DX人材の育成はなぜ必要なのでしょうか?

まず超少子高齢社会の問題があります。人口が減って、人手が足りないという状況には今後も歯止めがかかりません。

また失われた10年、あるいは20年と言われるように、世界中でデジタル化がハイスピードで進んでいる中で、日本は遅れを取ってしまったという現実があります。

コロナ禍においても支援金の支払いやワクチン接種が速やかに実施できているとは言いがたく、基幹システムやデータベースが速やかに活用されていないことは認めざるを得ないでしょう。

このままでは行政や企業、医療や教育機関にいたるまで、既存のシステムを使っていた人材が退職したあとに、ITシステムに引き継ぎできる人がおらず、あらゆる場が立ち行かなくなってしまいます。

ちなみに2025年には、IT人材は43万人不足するという試算がされています。


DXと言っても何から始めたら良いでしょうか?

1番大切なのはマインドセットです。「みんなやっているから。トレンドだから」というようなことではなく、IT人材が必要であるという切実な背景を踏まえて、これは待ったなしの改革なんだということを理解するところが始まりです。

そしてもちろんリーダーとなる人が重要です。DXを推進する立場の方は、先進テクノロジーに意識が高く活用事例について知識を持っていたり、自社のどの部分にテクノロジーが活かせるかを見極められたりといった資質が求められます。

プログラムは、(1)DXとは何か、(2)効率と利益、(3)開発の種類、(4)環境と行政、(5)デジタルの勘所、(6)自社の強み弱みを理解、の全6回を3ヶ月で行います。




1回目の「DXとは何か」では、どんなお話をされますか?

このプログラムの一番の特徴は、全6回のテーマを掲げてはいても、内容を企業によってアレンジしていることなんです。例えば建築のDX、農業のDX、電化製品メーカーのDXでは、置かれているポジションや取り組むべき内容、スピード感などすべてが違いますよね。

最初は自社業界のDXはどうなっているか、自社の顧客や取引先のDXはどうなっているか、現状をしっかり把握するところから始めて、企業ごとに必要なことをコンサル的な視点を交えてカリキュラムに取り入れてお伝えしています。

例えばDX=ペーパーレスだとした場合、紙やハンコ文化を失くすのは、作業を効率化するということや、データで管理することの重要性など複数の理由がありますが、それも企業によって同じではないので、DXは多角的、複合的に考える視点が必要だというようなことも言いますね。

一般的なナレッジを提示するだけだと身に入らないので、なるべく具体的な言葉でお話しするようにしています。

あとはデータベースの重要性を話します。例えばAmazonやUber Eatsが成功しているのは、顧客がよく買っているもの、食べているものなど、情報をどんどん溜めて活用しているからです。

顧客のライフスタイルにまつわる情報という極めて貴重なデータを持っているからこそ、一緒に組みたいという企業が出てきて事業がどんどん成長していく。これからは独自のデータを持たない企業は発展が難しくなるでしょう。

 

2.複合的な視点で、自社に必要なDXを見極める

2回目の「効率と利益」の概要について教えてください。

インダストリー4.0とリーンITについてお話しします。

インダストリー4.0は第四次産業革命のこと製造業におけるオートメーション化、コンピュータ化、データ化を目指すという内容です。第四次産業革命ではデータの扱いがすべてなので、絡みあうデータから自社にあったものを見極めたり、他社とトレードできるものは何かを考察します。

もうひとつ、リーンITという言葉は聞いたことがあるでしょうか。リーン(Lean)とは贅肉が取れたという意味で、ビジネスの分野では経営が効率的ということを表します。

トヨタ生産方式が後にリーン生産方式と呼ばれるようになり、そこからリーンサービス、リーンITと応用されてきました。トヨタ生産方式をルーツとするIT分野に特化した生産革命の考え方を通して、業務を効率化して利益を出すために自社のDXですべきことは現状の改善なのか、新規事業の開発なのか、もしくは両方なのか、把握できるようになるのが目的です。


3回目の「開発の種類」にはどんなものがあるのですか?

ここはアジャイル開発とウォーターフォール開発の話ですね。

アジャイル開発は簡単に言えば、途中の段階で製品やサービスを世に出して、フィードバックを取り入れながら仕上げていくという、今後増えていくであろう開発の手法です。

日本のものづくりはとても丁寧である一方、開発スピードは遅い。最近はライフサイクルが目まぐるしく変わっていくため、半年後、1年後、2年後には、いま開発しているものがもはや世の中にマッチしないということも珍しくありません。

そんな時代に、完全な状態にしてから発表するという従来のウォーターフォール開発では、開発期間中に起きている環境やニーズの変化に対応しきれないということが起きています。

ただ、アジャイル開発を行うには既存の基幹システム、帳票、契約では難しい面もあるのでもろもろ注意も必要です。

ちなみにこれは全回に共通する話ですが、アジャイル開発やウォーターフォール開発も、単なる用語説明であれば市販のテキストなどで十分なので、それぞれの業界や企業に合わせた実践レベルでお話ししています。

 

4回目の「環境と行政」もDXにまつわるテーマなのでしょうか?

これがつながっているんですよね。この回では経済産業省、農林水産省、環境省などのDXの観点や状況を把握することで、ビジネスチャンスを見つけるための考え方をお話しします。

みなさんご存知のように2030年までにSDGsをクリアすることが目指されている世界では、企業の事業そのものが持続可能社会に貢献する必要があります。

ESG投資も盛んになっていて、投資家もそこを見ています。SDGsはDXと同様に無視できないアクションなので、第四次産業革命×環境問題をセットで捉えることがとても大事なポイントになります。

現在から未来を目指すフォアキャスティングよりも、未来を起点にしていま何をすべきかを考えるバックキャスティングの視点が一層重要になってきています。

 

5回目の「デジタルの勘所」は誰でも身につくものなのでしょうか?

正直、素質やセンスはありますね。何でも新しいモノに飛びつけばいいわけではなく、山ほどあるツールの中で自社に必要なもの、応用ができそうなものを選ばなければならないので、さまざまな事例を話すことでそのコツをお伝えする回です。

基本的にDXは、IOT、AI、ビッグデータの3つの要素で構成されているので、それぞれの基本的な理解はしてもらいますが、あとは業界に合わせて必要な話をします。

例えば保険会社であればRPA(ロボティックプロセスオートメーション)のように、人に代わってロボットがデータ入力などを行うツールは有効なDXですが、最先端ドローンの話はあまり意味がないですよね。

DXを推進するリーダーがデジタルの目利きになって自社に取り入れていくことは、会社の経営を左右するのでとても大切なことです。

 

最後の6回目で「自社の強み弱みを理解」になるんですね。

お金の取り方が複雑になっている時代です。最初は無料で使えるけれど途中から料金が発生するというサービスも増えていますし、イベントやコンテンツの権利ビジネス、ソフトの使用料、ポイントでの支払い、ビットコインなど、さまざまなものが出てきています。

そこでよその課金モデルがわからないと、いいアイデアを出してもDXを進めても企業として成長しにくい。自社の強みや弱みを分析して価値をわかって、DXの費用対効果を考える必要があります。

例えばコロナ禍によってECサイトで買い物をすることがますます増えて、ではリアル店舗はダメかということもなくて、対面だから可能な顧客情報を集める場所としてリアル店舗を使うという戦略もある。

このプログラムはスタートする前に会社の事情を詳しくヒアリングするので、コンサル的な面が強いのがポイントなんです。

 

3.それぞれの課題に即して、実務を変えていくサポート

各企業に寄り添った内容であること以外にも、このプログラムの特徴はありますか?

全講座にワークショップをセットにしていることで、より実践的な内容としていることです。

各テーマでの知識をインプットしたあとに、自社や自分の部署にあてはめてみたらどんな課題があるのか?どこから何をすればいいのか?ということを一緒にやるので、リアルに入ってくると好評です。

自分の会社の状態を的確に把握するというのは実はとても難しいことで、社員によっても捉え方が違いますし、これから世の中がどうなるかも読めない中でDXを進めなくてはならないわけですから、その方向性を決めるところをサポートします。

わたしは長年にわたって、各種企業のデジタル化を現場で行ってきたので、DX化を推進する際に、まず新しいセクションを作るところに労力がかかることや、社内で意見が一致せず反対勢力が起きてくることなど、つまずきがちなところがわかっているので、同じ轍を踏まなくてもある程度余計なプロセスをショートカットできるようなことができればいいなと。

表層的なDXではなく、現場に根付いて実際に使えるDXであることにこだわっています。

 

丹青ヒューマネットのプログラムとして始めた理由は何ですか?

もともと丹青ヒューマネットの親会社である丹青社と仕事をしていたのがご縁です。

そこで空間デザインを生業にする会社のDXの状況が詳細にわかったので、これは空間にかかわる仕事をされているほかの企業の方に対しても有益な情報をお伝えできると思いました。

丹青ヒューマネットの石畑社長が「企業と人をマッチングさせていく中で、必要なスキルの中身が変わってきています。昔なら手書きの図面を見ていたものが、いまは設計からデザイン、施工現場まで、同じデータを使って計画から完成までをやるというふうになっていて。確かにDXは必然で、これは派遣先のお客さまもみなさん同じ状況だと思うんです」と言われていたこともあり、新しいサービスとしてリリースする運びになりました。

とはいえ空間デザインの業界に限らずDXは必須なので、どんな企業の方たちにもプログラムが提供できたらと思っています。

 

最後に、このプログラムを受けることで得られるものは何でしょうか?

やはりまずはマインドが変わることかなと。全6回の講義を受けていただくことで、現在の状況や自社の立場を冷静に見ることができ、DXに対して尻込みするということがなくなるのではないでしょうか。

また、一般論ではなく徹底して自社のケースで考えていくので、用語だけの知識ではなく、本質的な理解が得られるとも思っています。

このような人材が社内に増えていくと、自分自身もシンプルにDXに取り組めますし、人にもわかりやすく伝えることができ、いい循環も生まれるでしょう。

共通認識のもとでプロジェクトも進めやすくなるはずです。日々進化しているすべてのテクノロジーを知る必要はなくても、自分の中にひとつDX軸が持てると、応用できる勘所がわかるようになるのではと思っています。

 


 

——取材を終えて

DXと一言でいっても、どこから理解すれば良いか、自社にとって必要なものは何か。経営者のみならず、多くの企業人が悩ましいのではないかと自らに置き換えても思うことです。

巷では、日々新しいテクノロジーやサービスの情報があふれています。コロナ禍において、必要な情報を必要に応じ選択するためにも、DXに関する基礎的な知識と自社のおかれている環境について考える時間が今必要なのではないでしょうか。

今回ご提案している6回の講義を通じて、自社の強み・弱み新たな角度から再発見ができます。また、企業や事業にとってのKPI見直しにもつながり、新たなビジネスの種に、社内システムの再確認の機会へと活かされます。

株式会社丹青ヒューマネット

石畑 和恵

DX人材育成プログラム

DX人材育成プログラムの詳しい内容は、ページで紹介しています。

DX人材育成プログラムはこちら

 

 

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