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施工管理職になりたい。 ディスプレイ業界で働く前に、その世界を垣間見る1day仕事体験。 /10代のみんなへ伝えたい、空間づくりの仕事 Vol.11


完成したスツールを学生たちが手に持って、全員で記念撮影

文:吉岡奈穂 写真:鈴木遙華 編集・取材:丹青ヒューマネット
公開日:2022/09/15

<修成建設専門学校>

-- SCHOOL PROFILE


1910年に創立された、大阪府大阪市西淀川区にある学校法人修成学園が運営する専門学校
建築、CGデザイン、空間デザイン、土木工学、ガーデンデザインなど多彩な学科を設置している。
インターンシップ制度をはじめ在学中から本格的なものづくりの現場にふれられるチャンスが充実。
業界内にネットワークを持ち、高い就職率を誇る。

 10代のみんなへ伝えたい、空間づくりの仕事 

修成建設専門学校では、建築学科に350人、住環境イノベーション学科に30人の学生が在籍しています。 またそのうちの1割ほどが留学生で、共に学んでいます。

2022年8月、夏休み中に行われた今回のインターンシップには、建築学科より3名、住環境イノベーション学科より3名の学生が参加。午前中は図面を引き、午後は2人1組でスツールを組み立てました。

本コラムではインターンシップを開催した目的、当日の様子や感想について、修成建設専門学校の進路担当を務める濱岡慎之輔先生、丹青ヒューマネットの児玉芳久、出口恵子による対談をリポートします。

スツールの製作を題材に、距離の近いところで一緒に過ごす試み。

濱岡先生:
本校の建築学科は建築環境全般を学ぶコースです。就職先もゼネコン、ハウスメーカー、工務店など幅広く、卒業生は営業、施工管理、CADオペレーターなどさまざまな職種に就いています。住環境イノベーション学科は大工と施工管理を専門としています。

今回のインターンシップを実施することになったのは、丹青ヒューマネット様から「業界や会社のことを知ってもらうために何か一緒に取り組みができないか。建築の専門学校なので、ものづくりをテーマにした内容はどうか」というお話をいただいたためです。

作業を見学したり、ほんの少し手を動かしたりという一般的なインターンシップとは異なり、図面を引くところからプロダクトをひとつ完成させて、最後に企業様から講評が受けられるということで、一日をかけて一連の流れを体験できることに魅力を感じました。

出口:
インターンシップとは、ひと言で言うと「社会に出る前に仕事の場を体験してみること」で、今回は学校でワークショップとして開催しました。初の試みでしたが、距離の近いところで学生さんと一日が過ごせることも楽しみにしていました。

スツールの三面図を描く前に、資料を用いて補足説明

児玉:
わたしは施工管理職として30年間勤務し、2022年に丹青ヒューマネットに異動してきました。

その段階で企画は進んでいて石巻スツールのキットを使うことは決まっていたので、事前に1つ購入して説明書の確認や適切な作業時間の検証をしてタイムスケジュールを組み、当日に臨みました。

施工管理職は設計図を実際の空間に具現化する仕事ですので、図面を読み取ってかたちにする力が大切です。スツールの図面を描き、組み立てるという工程をみなさんに行ってもらうことで、施工管理職の仕事の一部分を体験してもらうことも狙いのひとつでした。

CADを使って三面図を描いている学生さんに、卒業生がアドバイスをしているところ

出口:
石巻工房が製作している石巻スツールは、建築家の芦沢啓治さんがデザインしたものです。

東日本大震災の直後に行われた、仮設住宅の住民や小学生たちの家具をつくる最初のワークショップで設計されたのですが、弊社の社長が石巻工房とご縁があったことから、支援の意味も含めて題材として選びました。

 

それぞれの強みや人となりが、作業の中で見えてきた。

濱岡先生:
講評の時間にプロ目線の生の声をいただけたことは、とてもよかったです。学校という枠組みの中で教員が学生に教えるのとは違うリアリティがありました。

例えば図面ひとつとっても業界のルールがあるということを実際にお仕事されている方から教わると、学生にとってはすっと話が入ったのではないかと思います。それから(みんなこんなに楽しそうな顔をするんだなぁ)ということが印象に残りました。

わたしは進路担当なのでやはりシビアなことも多いですし、学生にとって大変な局面をサポートすることもあるのですが、本校の学生たちにはものづくりが好きだという原点があることを改めて実感しました。

いざ完成してみたら座面の刻印が逆になっていたり、座ってみたらちょっとガタガタしてしまったりということもありましたが、一緒に参加していた教員からは「学生にしては、図面はよく引くことができていたのでは」という意見ももらっています。

どちらにしても普段会話しているだけでは見られない強みや人となりを目の当たりにすることができたので、企業様に学生を紹介する際に有意義だと感じました。

手描き、もしくはCADを自分たちで選択し、図面作成を行いました

出口:
作図では、実際のパーツを手に取って測る姿が真剣そのものでした。ポスターを見て完成をイメージしながら手書きでやるというチームもあれば、CADを駆使してというチームもありました。

組み立ては2人1組で行いました。組み立てる手順や穴をあける位置に印をつけて段取りする場面など、それぞれ試行錯誤しながら進めている姿がとても心に残っています。作図も組み立てもどちらも個性が出ていて興味深かったです。

児玉:
自分自身にとってもよい時間でした。企業の中にいると学生と直接話せることはそう多くはないので、自分が学生だった頃を思い出しながら、相手に正確に伝えることの大切さを考えるきっかけになりました。

現場でも職人さんに説明する際はわかりやすく話すことを心がけますが、学生さんの場合は当然プロフェッショナルではありませんので、より丁寧な言葉選びが必要です。

夏休みの1日を費やしてくれているのだから、つまらないもので終わるわけにはいかない。どうやったら届くだろうということに注力しました。

本来であれば実際の現場を見てもらえれば一番早いのですけれども、施工中の物件には少なからず危険もあるので、当社の場合インターンシップはあまりできていないんです。なので今回のように自分たちが出張っていくスタイルには可能性を感じました。

いよいよ組み立て作業!スツール部材に指金を使って墨出しを行い、穴をあける位置を決めていきます

出口:
今回参加された学生さんの中に留学生もいましたが、お互い日本語で会話しているだけでもその努力はいかばかりかと思います。

休憩中に話をしましたが、日本で就業したいという前向きな姿勢に心打たれました。1年生はこれから少しずつ企業研究などされていくと思いますので、ディスプレイ業界に興味を持っていただけたら嬉しいですね。

濱岡先生:
そうですね、これから1年生はインターンシップや企業研究を進め、進路を検討していきます。今回のインターンシップを通じて丹青ヒューマネットのみなさまのあたたかなムードやチームワークの良さも随所で感じましたし、安心して学生を紹介したいと思えました。

出口:
はい、施工管理職は容易な仕事ではありませんが、伸びしろのある若い力をしっかりと受け入れる姿勢はグループ全体にあると思います。空間づくりに興味を持った方は、ぜひディスプレイ業界への就職も考えてみてほしいです。

墨出しを行った後は、実際に穴をあけていきます。部材を付け加える際に、木ねじを垂直に打つのか、少し斜めに打つのかなど工夫しながら行います

 

施工管理職の魅力を伝えながら、若い力を育てていきたい。

児玉:
施工管理職は、現場監督として何もないところから完成するところまでを詰めていくダイナミックな仕事です。就職を考えている学生さんには、まずその魅力を伝えたいですね。

基本的なセオリーはありつつも人によって考え方や進め方も違うので、自分の裁量でプロジェクトをかたちにしていけるのが醍醐味です。トライ&エラーを繰り返しながら2〜3ヶ月ごとに現場を回れるのも飽きないですね。

関係者しか入れないオフィス空間だったり、年間何十万人も来るアミューズメント施設だったり、多種多様な空間づくりに携わることができます。

濱岡先生:
はい、本校の卒業生で施工管理職に就いている彼も、常に違う現場に行って、同じものをつくることはないので、いつも新鮮な気持ちで飽きないと言っていました。職人さんと話すことも楽しいそうです。

墨出しを行っているところ。スツールの素材であるレッドシダーの香りに癒されながら、組み立て作業はスムーズに進みました

出口:
今回の内容をさらにブラッシュアップして、施工管理職の魅力を伝える試みのひとつとして、来年、再来年と続けていけたら弊社だけではなく業界にとってもよいことのように思います。

児玉:
そうですね。いい人材を採用することは業界全体の課題です。未経験者が独り立ちして現場に出られるまでには3〜5年かかるので、中途採用市場が活発であればスムーズではあるのですが、一方で人を育てるという姿勢を大切にしなければ立ち行きません。

これまでの経験にとらわれることなく、わからないことに興味を持つことや、自分で調べたり人に聞いたりして堀り下げられる力のほうが遥かに大切だとわたしは考えています。そのような人が施工管理職に向いているのではないでしょうか。

出口:
施工管理の仕事は一人ではできなくて、たくさんの方と関わりながら進めていくものなので、コミュニケーション能力はポイントです。

会社の利益を追求しつつ、設計やデザインの意図を汲みつつ、クライアントの立場に立ちつつ、さまざまな視点を持つことが求められます。このようなディスプレイ業界で働いてみたい方、キャリアを積んで次のステップへ進む糧にしたい方など、全力で応援していきたいです。

木目や色味、木ねじを打つ位置など、実際に組み立てることで細かな点に気がつきました

濱岡先生:
進路指導をする上で、履歴書の書き方をレクチャーして、こちらで企業をピックアップして紹介して…と手取り足取りしすぎないように意識しています。

児玉さんが言われたように、自分で興味を持って調べたり考えたりしてもらいたいですね。本校では卒業して活躍できる人材を育成することを目的に掲げています。今回のインターンシップも彼らにとって何らかのきっかけになれば嬉しいです。

児玉:
今回のインターンシップは当社にとっても新たな試みでした。実際にどれだけ学生の関心を惹くことができるか、伝えたいことがどれだけ伝えられるかなど、心配なこともありましたが、参加された学生たちの表情を見て「やってよかった」と実感できたことは、わたしたちにとっても糧となりました。

今回1度で終わるのではなく、次回、次々回と重ねながら、さらに内容の濃いプログラムを開催して行きたいと思います。ご参加いただいた学生のみなさま、先生方には改めて感謝いたします。

 

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